アフィリエイトで確定申告は必要?収入を得たときのルールを紹介

    アフィリエイトは、ホームページやブログなどに載せた広告を通じて報酬が発生する仕組みです。

    副業やおこづかい稼ぎとして気軽に始める人の多いアフィリエイトですが、収入を受け取ったときに確定申告をするべきかどうか、よくわからない人も多いのではないでしょうか?

    そこでこの記事では、アフィリエイトで収入を得たときに確定申告が必要か、また必要な場合はどのようにおこなうかといった情報をわかりやすく解説します。

    アフィリエイトの収入には原則として確定申告が必要

    アフィリエイトで収入が発生したときには、原則として確定申告をする必要があります。

    アフィリエイトの収入であっても、会社から受け取る給料であっても、お金を得る方法に違いがあるだけで、個人の所得として扱われます。そして、一定の所得があれば所得税を納税する義務が生じるのです。

    したがって、アフィリエイト収入を得たら確定申告のことも考えなければいけないのです。

    確定申告で納めるのは、前年の1月1日から12月31日までに得た所得額に応じた所得税です。所得額にはアフィリエイトの収入のほか、給料なども含まれます。納税額は「総所得額-所得控除=所得税の課税所得」×「所得額に応じた一定の税率」で計算されます。

    年間の総所得額から差し引かれる所得控除に関しては、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

    一定の基準を満たせば確定申告は必要ない

    一般的に、アフィリエイトで収入を得たら確定申告をすることになります。しかし、アフィリエイトで成果をあげていても、確定申告をする必要がないケースというものがあります。

    ここからは、確定申告が不要となる2つのケースを解説していきます。

    ◆1. 年収2000万円以下の会社員で、アフィリエイト収入が年間20万円以下

    1つの会社から年収2000万円以下の給料を受け取る会社員は、通常、源泉徴収の対象となり、個人に代わって会社が所得税を納め、毎月の給料から天引きされます。

    このように、源泉徴収の対象となる会社員のうち、アフィリエイトを含む副業による所得が年間20万円以下の場合は、確定申告をしなくてよいのです。

    逆にいうと、アフィリエイト収入が年間20万円以上ある会社員は、給料額に関わらず、確定申告が必要になるというわけです。

    ◆2. 給与などの受け取りがなく、アフィリエイト収入が年間48万円以下

    専業主婦や学生など、アフィリエイト以外に収入がない場合、年間の総所得、つまりアフィリエイト収入が48万円以下なら確定申告をしなくてもOKです。

    なぜなら、所得税を計算するときに、総所得から一律で引かれる基礎控除が48万円であるためです。アフィリエイトによる所得が年間48万円だとしても、基礎控除を引くと課税額が0円になるので申告不要なのです。

    ちなみに、令和2年度分から基礎控除額は変更されています。以前は所得にかかわらず一律38万円でしたが、現在は総所得額によって0~48万円の4段階になっていて、総所得額2400万円以下の場合に48万円が適用されます(2023年1月現在)。

    アフィリエイト収入の確定申告方法

    一部の条件に当てはまる人を除いて、アフィリエイト収入があれば確定申告をすることになります。

    確定申告の書式は大きくわけて「青色申告」と「白色申告」の2種類にわかれます。ただし、アフィリエイトは収入が安定しているかどうかで「雑所得による申告」をするケースもあり、初心者にはやや複雑に感じられるかもしれません。

    そこで、どの申告方法を選べばいいのかわかるように、これら3つの申告方法について詳しくお伝えしていきます。

    1. 青色申告

    アフィリエイトで毎月安定した収入を得ている、あるいは事業規模の報酬をあげている場合、税務署から「事業」として認識されます。この場合、税務署に「開業届」を提出する義務が生じます。

    開業届を提出する際には書類記入をはじめとした作業工程が発生しますが、無事開業届が受理された場合、特別控除を受けられる青色申告をおこなうことができます。

    青色申告にすると、最大で65万円の特別控除を受けられます。特別控除は総所得額から差し引かれるので、金額があがればそれだけ節税につながります。

    青色申告のもうひとつのメリットとしては、繰越控除制度が挙げられます。この制度は、赤字になったとき、翌年以降に赤字を控除できるという制度になっています。翌年にアフィリエイトで大きな収入が出たとしても、この繰越控除を利用すれば、納税額を抑えることができるのです。

    ただし、青色申告にはいくつかの注意点があります。

    青色申告を利用するには事前に「青色申告承認申請」を税務署に提出しなくてはいけません。提出期限は青色申告をする年の3月15日まで。たとえば2021年度分の申告をおこなうのであれば2021年3月15日が期限です。

    また、2020年度分は新型コロナウイルスの影響から、申告期限が2021年4月15日に延長されていました。期限の変更が今後も起こる可能性があるので気をつけてください。

    さらに青色申告では、簿記のルールにのっとって、1回ごとの取引を帳簿に残すことになります。帳簿をもとに損益計算書や貸借対照表を作って、その内容を確定申告書面に記入しなければならないのです。

    帳簿の管理や必要書類の作成は、簿記の知識がない人には大きな負担になる可能性があります。はじめての青色申告は、事前準備期間に余裕をもっておくようにしましょう。

    ◆青色申告は節税効果も期待できる

    確定申告で申告する総所得は、アフィリエイトの収入そのものではありません。収入を得るために使った必要経費を差し引いた金額が所得、つまり納税対象になるのです。

    これはつまり、必要経費をもれなく申告すれば、それだけ課税される総所得額を減らすことができ、節税できるということ。確定申告では必要経費をきちんと申告することが重要です。必要経費の内容については、こちらの記事を参考にしてください。

    必要経費の申告は、後述の白色申告でも可能です。ただし、自宅でおこなうことの多いアフィリエイトでは、電気代などの家事関連費も申告できるなど、必要経費として認められる範囲の広い青色申告のほうが節税効果を高められます。

    安定したアフィリエイト収入を確保できたなら、事業として取り組むための「開業届」を税務署に提出したうえで、青色申告にチャレンジしてみましょう。

    2. 白色申告

    白色申告は、青色申告と同じく、安定したアフィリエイト収入がある人を対象とした申告方法です。

    青色申告とは違って事前の申請は不要なので、継続的な収入があって「青色申告承認申請」をしていないなら、自動的に白色申告を選ぶことになります。

    青色申告のようなメリットはないものの、とにかくシンプルで簡単な帳簿づけが白色申告の大きな魅力です。ASPの名称と振込まれた報酬額、必要経費などを記録しておくだけなので、簿記の知識がなくても心配ありません。

    複雑な帳簿づけに自信がない、帳簿をまとめる時間がないといった場合には、白色申告をあえて選んでおくのもいいかもしれません。

    3. 雑所得による申告

    アフィリエイトを始めたばかりなどで、収入が安定していない、継続的に成果をあげられない場合には、雑所得による申告を選ぶことができます。

    青色申告や白色申告との大きな違いは、アフィリエイト収入が事業として認められるかどうかです。数か月に1度など、成果をあげられる頻度が少なければ、雑所得とみなされる可能性が高いでしょう。

    雑所得による申告は、一般的な確定申告とは少し方法が違い、白色申告よりさらにシンプルです。

    まず、アフィリエイト収入と必要経費を集計して、それぞれの合計金額を出して、申告書面に記入します。さらに、収入から必要経費を差し引いた金額を雑所得として記入すれば完了です。

    自分では雑所得だと思っていても、税務署が同じ判断をするとはかぎりません。自分のアフィリエイト収入が雑所得にあたるかどうか気になったら、税務署に相談しておくといいでしょう。

    3ステップでわかる!確定申告の流れ

    初めての確定申告だと何をどうすればいいのかわからないと不安を感じる人もいるはずです。しかし実は、確定申告はそこまで複雑なシステムではありません。

    ここではアフィリエイト収入を確定申告するときの実際の流れを、3ステップでわかりやすく解説します。

    1. 必要書類を用意

    まずは確定申告の必要書類を用意します。

    必要書類は、青色申告・白色申告・雑所得による申告、それぞれの方法によって少しずつ異なります。

    確定申告の方法 必要書類
    青色申告
    (特別控除55万円)
    確定申告書B
    青色申告決算書
    (貸借対照表と損益計算書)
    青色申告
    (特別控除10万円)
    確定申告書B
    青色申告決算書
    (損益計算書)
    白色申告 確定申告書B
    収支内訳書
    雑所得による申告 確定申告書B(還付予定がある場合はA)

    すべての申告で共通するのが確定申告書です。確定申告書には「A」と「B」のふたつの様式があり、それぞれに第一表と第二表が用意されています。

    「A」の対象となるのは、雑所得、給与所得、総合課税の配当所得、一時所得のみで、さらに納税予定がない(還付される)人のみです。つまり、アフィリエイト収入の申告は「B」を使っておこなうのが一般的だと覚えておきましょう。

    上記の必須書類のほかに、各種控除の対象になっていれば、それを証明する書類の添付も求められます。添付書類としては、たとえば以下のようなものが考えられます。

    控除されるケース 添付書類
    給与所得があるとき 会社で発行された源泉徴収票
    医療費控除が適用されるとき 医療費の明細書や医療機関への交通費など(※)
    生命保険料控除が適用されるとき 各保険会社から発行される控除証明書
    住宅ローン控除が適用されるとき 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
    住宅借入金残高証明書
    住民票の写しなど
    寄付(ふるさと納税を含む)をしたとき 寄付先から交付された寄付金の受領書など

    (※)医療費の領収書は提出あるいは提示は、平成29年度から不要になりました。ただし、5年間の保管が必要です。

    ◆e-Taxによるオンライン申告であれば確定申告書は不要

    現在、確定申告では「e-Tax」を使ったオンライン申告が推奨されています。

    オンライン申告であれば、書面を用意する手間は不要です。24時間いつでも好きな時間に、パソコンはもちろん、スマートフォンからでも申告できます。また、青色申告のメリット、特別控除を最大額の65万円にするには、オンライン申告が条件になっている点にも注目です。

    使いこなせばかなり便利でお得なオンライン申告ですが、利用するには事前の準備が必要です。

    まず必要となるのが16桁の利用者識別番号です。他人のなりすましを防ぐもので、オンライン申告には欠かせません。利用者識別番号を取得するには、税務署窓口での発行あるいはe-tax サイトからのオンライン発行のふたつの方法があります。

    そして、平成28年度分からはマイナンバーカードも必須になりました。

    ただし、パソコンからの場合はマイナンバーカードを読み取るICカードリーダーを使う、スマートフォンの場合はマイナンバーカードの読み取り対応機種に限られる、などの注意点があります。

    マイナンバーカードの読み取り以外に、「ID・パスワード方式」を利用する方法もあります。IDとパスワードの入力でOKなので、パソコンを使う方には便利ですが、事前に税務署で発行手続きをしなくてはならないので、早めに対応しておきましょう。

    2. 申告書を作成し提出する

    確定申告の書類の準備ができたら、直接もしくは郵送で税務署に提出するのが通常の手続きです。

    申告期間は、書面による申告・オンライン申告ともに、毎年2月16日から3月15日までと決まっています。ただし、2021年のみ新型コロナウイルスの影響から4月15日まで延長されたので、2022年以降の動向にも注意しておきましょう。

    3. 納税・還付の手続きをする

    確定申告をすれば課税所得から所得税の納税額がわかります。その結果に応じて、所得税の納付もしくは還付の手続きに進みます。

    所得税を納付することになったときには、指定された期日までに納税手続きします。手続きには以下の8つがあるので、自分のやりやすい方法を選びましょう(2023年2月現在)。

    1. ダイレクト納付
    2. インターネットバンキング
    3. クレジットカード納付
    4. スマホアプリ納付
    5. コンビニ納付(QRコード)
    6. コンビニ納付(バーコード)
    7. 振替納税
    8. 窓口納付

    出典: 「国税庁 納税・納税証明書手続

    確定申告の手続きを終えた時点で、納税額も期限もあきらかになるため、税務署から納税通知所などが届くことはありません。うっかりと納付を忘れてしまうと延滞税を課されて予想外の出費になることもあるので、できるだけ早めに済ませておくのがおすすめです。

    一方、還付金を受け取るときには、申告後、確定申告書に記入した金融機関の口座に自動的に振り込まれます。

    アフィリエイト収入の確定申告を忘れたら?

    先述のとおり、確定申告の申告期間は毎年2月16日から3月15日までと決められています。

    忙しい毎日を過ごしているとついつい準備を後回しにしてしまい、申告期限を過ぎてしまうこともあるでしょう。しかし、期限を過ぎても申告そのものは可能なので、気づいたらすぐに申告するようにしてください。

    ただし、ルールを外れてしまうのですから、それなりのペナルティはあります。期限後の確定申告は「期限後申告」として扱われ、延滞税や無申告加算税が追加で課されてしまう可能性があるので要注意です。

    さらに、申告漏れを放置していると、数年後に多額の追徴課税をされるケースもあります。それほど大きな金額ではない、去年何も言われなかった、と確定申告を放置することはやめましょう。

    アフィリエイトを始める際は確定申告方法も確認しておきましょう

    アフィリエイトは、誰でも簡単に始めやすいと人気を集めています。

    しかし、ちょっとしたおこづかい稼ぎで始めたとしても、お金を受け取ればそれは立派な収入です。お金を受け取れば、会社員の給料などと同じように納税の対象になり、確定申告をすることになります。

    条件によっては不要になるなど、確定申告には初心者にはわかりにくいルールがいろいろあります。確定申告の対象となる基準、3つの申告方法や準備すべき書類など、基本的な知識を事前にチェックしておくといいでしょう。

    また、確定申告を忘れてしまうと延滞税や無申告加算税などが追加で課される可能性があります。アフィリエイトで得た収入は、忘れずにその年度中に確定申告をおこなうようにしましょう。

    ※情報は2023年1月時点のものとなります。

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