【確定申告前に要チェック】アフィリエイトで経費にできるものとできないもの

    アフィリエイトで得た年間所得が20万円を超えた場合、翌年の確定申告の対象となります。所得税を算出するのに必要な所得額は、収入から必要経費を差し引いて算出するため、収入額だけではなく、必要経費の総額についても整理しておきましょう。

    ここでは、アフィリエイトで経費にできるものとできないものについてご紹介します。

    アフィリエイトの経費と勘定項目

    確定申告は、正しい所得税を納めるために行います。そのため、年間の収入額同様、必要経費の額もきちんと整理しておく必要があります。正しく確定申告を行うためにも、アフィリエイトにおける経費や、経費に関係する勘定項目の概要について理解を深めましょう。

    アフィリエイトにおける経費

    経費とは、事業の利益を生み出すために必要な費用のことをいいます。

    アフィリエイトで得た収入が大きくなればなるほど所得税は増えますが、アフィリエイトに要した費用を経費として計上することにより、所得税を抑えることができます。

    所得税を抑えることができた分、事業に投資できるというメリットもあるため、領収書をもとに年間の必要経費をきちんと整理しておきましょう。

    経費の勘定項目

    年間の収入と必要経費を集計するためには帳簿付けを行う必要があります。その際、お金の流れを把握するために用いるのが勘定項目です。

    勘定項目をもとに仕訳された経費は、事業の運営状況を可視化する書類にあたる貸借対照表や損益対照表にも反映されるため、正しく仕訳するためにも、勘定項目の概要を理解しておきましょう。

    個人事業主は、主に次の23種類の勘定項目を用いて仕訳します。

    租税公課 印紙税や固定資産税といった国または地方公共団体が課する租税を支払うのに要した費用が該当する
    修繕費 プログラム修理代・パソコン修理代といった資産の補修に要した費用が該当する
    荷造運賃 商品をお客様へ届けるための送料・梱包費などが該当する
    水道光熱費 電気代・ガス代・水道料金が該当する
    保険料 火災保険や運送保険など、保険契約に基づき発生した保険料が該当する
    消耗品費 短期間で消耗する10万円未満の物品を購入した費用が該当する
    雑費 清掃代・ごみ処理代などどの勘定項目にも該当しない少額な費用が該当する
    法定福利費 健康保険料事業主負担分、児童手当拠出金など、法律で納付が義務付けられている社会保険料が該当する
    給料賃金 従業員へ支払う給与・手当が該当する
    地代家賃 駐車場代・家賃・レンタルスペース代など事業に関連する建物・土地の賃借料が該当する
    外注費 業務を一部外部へ委託した費用が該当する
    貸倒損失 売掛金・受取手形など、取引先の倒産などにより債権の回収が不可能になった場合に生じる損失が該当する
    新聞図書費 業務上必要な知識を得るために購入した雑誌や新聞などが該当する
    支払手数料 業務手数料や銀行手数料など業務を遂行する上で発生した手数料が該当する
    寄附金 国・地方自治体などに対する寄附金など、会社の事業に直接関係しない寄附金が該当する
    減価償却費 パソコンなどの有形固定資産およびソフトウェアなどの無形固定資産が、経年とともに経済的な価値が減少する額を見積もった費用が該当する
    旅費交通費 宿泊料・タクシー料金など、業務を遂行するために必要な旅費および交通費が該当する
    修繕積立金 大規模修理に備えて貯蓄する費用が該当する
    未償却の繰延資産(開業費・創立費・社債発行費など) 事業がスタートするまでに支出した費用や、会社設立のためにかかった費用が該当する
    通信費 インターネット通信費や電話料金など、業務を遂行する上で必要な通信のために要した費用が該当する
    広告宣伝費 チラシやパンフレットの作成費用など不特定多数の人に商品をPRするための費用が該当する
    交際費 お土産・謝礼など取引先に対する接待・供応・慰安・贈答などに支出する費用が該当する
    専従者給与 青色事業専従者に支払った給与が該当する
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    アフィリエイトの確定申告で必要経費にできるもの一覧

    副業でアフィリエイトを行っており、年間所得額が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。ちなみに所得とは、収入から必要経費を引いて残った額のことです。

    副業でアフィリエイトを行っている場合も個人事業主と同様で、必要経費を計上して差し引くことで課税対象となる所得額を抑えられ、所得税軽減にもつながります。

    アフィリエイトの運営に関連する経費として考えられそうなものの例を挙げ、該当する勘定項目について解説します。

    パソコン購入費

    アフィリエイト運営で使用するパソコンの購入費は必要経費として計上が可能です。

    ただし、10万円以上のパソコンは資産として見なされ、減価償却する必要があるため、パソコンを購入する際には金額にも注目してみましょう。

    なお、減価償却とは、長期間の使用が想定されるものを一定期間かけて経費として計上していく会計手続きのことを指し、物によってあらかじめ耐用年数が定められています。

    そのため、10万円以上のパソコンを購入した場合は、購入金額を4年に分割した金額を1年分の費用として計上するため、購入費用の全額は計上できません。

    10万円以上のパソコンを購入した場合は「減価償却費」、10万円未満のパソコンを購入した場合は「消耗品費」で計上しましょう。

    インターネット通信費

    インターネット通信費も経費に該当し、「通信費」として計上可能です。

    また、外出先での使用を想定して購入・契約しているモバイルルーターも経費として計上できます。ただし、端末代は「消耗品費」、初回契約手数料や毎月の通信費は「通信費」と、勘定項目が異なってくる点だけ留意しましょう。

    なお、自宅のインターネット環境を利用してアフィリエイトを運営している場合は、家事按分で決まった比率をもとに事業用と生活用の経費を算出し、利用料の一部を費用として計上します。

    サーバー利用料金

    インターネット上に公開するために必要なサーバーの利用料金は、勘定項目「通信費」に該当します。

    毎月1,000円前後からと少額な経費に思われがちですが、必要経費として計上することで所得税を抑えられるため、ブログや独自Webサイトでアフィリエイトを運営している場合は、忘れずに計上しましょう。

    ドメイン取得費

    アフィリエイトをブログやWebサイトで運営する場合は、ドメインを取得する必要があります。ドメイン取得費も「通信費」として計上可能です。

    なお、複数のWebサイト・ブログを運営している場合は、ドメイン会社を1社に統一することで、確定申告の作業が軽減されます。

    書籍購入費

    アフィリエイトに関する専門知識を身につけるために購入した書籍も費用として計上可能です。さらに、情報収集のために購入した雑誌代も経費として計上できるため、購入時にはレシートではなく領収書を保管しておきましょう。

    なお、帳簿記入の際には「新聞図書費」で計上します。

    ちなみに、ライティング・マーケティング・Webデザイン・業界誌などアフィリエイトに関連するものはすべて必要経費の対象となります。

    商品サンプル購入費

    記事を書く際に購入した商品サンプルも必要経費として計上可能です。「新聞図書費」を用いて帳簿に記入しましょう。

    ただし、定期購入の商品の場合、原則初回購入分のみが対象となり、2回目以降は経費として計上できません。

    ASPへの支払手数料

    一部のASPでは、「成果報酬料」という名目で手数料を差し引いて、差額を報酬として支払うシステムを導入しています。

    成果報酬料として差し引かれた手数料は、勘定項目の「支払手数料」に該当し、経費として計上可能です。

    広告費

    売上促進のためにWeb広告やSNS広告を活用した場合は、勘定項目の「広告宣伝費」に該当し、経費として計上できます。

    なお広告費は、数十万円と大きな額になる場合があります。所得税の金額にも影響するため、所得税を少しでも抑えたい方は忘れずに計上しましょう。

    外注費

    業務量が増え、クラウドソーシングサイトを活用して一部の業務を外注している場合は、勘定項目の「外注費」に該当します。

    外注費として経費計上できるのは納品された日となるため、帳簿に記入する際には日付に留意しましょう。

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    個人事業主が経費にできるもの

    個人事業主であれば、以下の経費も必要経費として見なされます。

    ・賃借料
    ・駐車場代
    ・交際費
    ・交通費

    勘定項目を含め、それぞれの経費について詳しく解説します。

    賃借料

    事務所としてレンタルスペースや建物を借りている場合は、勘定項目の「地代家賃」で計上できます。

    ただし、自宅兼事務所として契約している場合は、家賃全額が経費として見なされるのではなく、個人で使っている分として家事按分を算出した金額が経費に該当します。

    家事按分を決める際には、一般的に30〜60%程度とされており、作業時間もしくは専有面積に基づいて割合を決めます。

    駐車場代

    仕事で自家用車を使用するために駐車場を契約した場合、駐車場代を経費として計上可能です。月極での契約の場合の勘定項目は「地代家賃」、一時的に駐車場を利用した場合の勘定項目は「旅費交通費」に該当します。

    なお、地代家賃に該当する場合、家賃と同じく家事按分が必要となり、駐車場代全額は経費として見なされません。一般的には、30%程度が経費として見なされますが、駐車場代の場合は実態に基づいて、どのくらい仕事で車を利用するのか考慮した上で家事按分を決定しましょう。

    交際費

    取引先や仕入先など、事業に関連する方に対して、接待・供応・慰安・贈答などを行った場合も経費として計上できます。

    交際費に該当する費用は、得意先へのお土産代や懇親会への参加費などが考えられ、勘定項目は「交際費」に該当します。

    交通費

    打ち合わせ先に行くために利用したバスやタクシーなどの運賃は、必要経費として見なされ、勘定項目は「旅費交通費」に該当します。

    なお、自家用車で打ち合わせ先に移動した際のガソリンも必要経費として見なされますが、その場合の勘定項目は「交通費」ではなく「車両費」で仕訳します。

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    アフィリエイトで経費にできないもの

    当然ながらアフィリエイトに関係しない支出については、経費として見なされません。また、記事を書く前提で購入した商品サンプルであっても、記事を書かなかった場合は、経費として見なされないため、留意しましょう。

    アフィリエイトで経費にできないものを例を挙げながら解説します。

    健康診断費

    健康診断の費用や、スポーツクラブの会費などは健康管理に必要な経費ですが、個人事業主の場合、これらの費用はすべて経費として計上できません。

    また、生命保険料や国民健康保険料も経費として見なされません。

    ただし、生命保険料や国民健康保険料は、控除の対象となるため、確定申告時に忘れずに申告してください。

    家族への給与

    生計を一にしている家族へ支払っている給料や賃金は、経費の対象となりません。

    ただし、青色申告を行っている場合は、「青色事業専従者」への給与として計上できるため、家族へ支払っている給料であっても経費として計上可能です。

    現在、白色申告で家族に給料を支払っている方は、青色申告への切り替えを検討してみましょう。

    税金

    通常、所得税と住民税の課税義務が発生しますが、税金は利益を生み出すために必要な経費として見なされません。

    ただし、以下の税金は事業に関係するものに該当するため、費用として計上可能です。

    ・収入印紙税
    ・個人事業税
    ・固定資産税

    なお、固定資産税に関しては、自宅を兼ねている場合と、そうではない場合は、計上できる金額が異なります。

    自宅を兼ねている場合は、固定資産税全額を費用としては計上できず家事按分が必要ですが、事業用の建物として建築した場合は、全額費用として計上できます。

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    まとめ

    アフィリエイトにおける経費を正しく計上し、確定申告を行うことで所得税を抑えられるというメリットがあります。どの費用が経費として計上できるのか確認し、勘定項目に基づいて帳簿を整理しておくことが大切です。

    なお、パソコン購入費やインターネット通信費は、アフィリエイトの経費として計上できます。また、家賃や駐車場代も経費として計上できるため、個人用も兼ねて契約している場合は家事按分を算出しておきましょう。

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